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【音高入試】採点の現場から

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「ヴァイオリンが好き」という気概は必要だが・・・

昨今はひと昔前のような「とんでもない」「突拍子もない」受験生は来なくなり、「楽しみが減った」という声も聞かれます。

専門家が見るのですから、構え方、弓の持ち方、左手の指の向きなどで、すぐにどんな先生についていたのか、ああ、この子はきちんと教えられていないな、と分かります。

地方から受けに来た生徒に多いのですが、左手もバラバラ、ボウイングも行き当たりばったりで、先弓では音が出ず、遂には元弓ばかりになってしまい、息も絶え絶えで辿りつく。ただし、ヴァイオリンが好きだという気持ちだけは非常に良く伝わってくる演奏に出会うことがあります。

「音教出身者にもこうした気持ちが欲しいよね」「一応弾くけど、ホントに好きでやってるの? 自分がどうしたいか伝わってこないんじゃないの? と尋ねてみたくなる演奏が多いからねえ」と試験官は嘆息します。

しかしそうはいっても、終止のひとつも満足に弾き分けられない受験生を、ただ「ヴァイオリンが好き」というだけで合格させるわけにはいかないのが入試の現実です。

小学校高学年でしかるべき指導者につく

長く観察していますと、小学生の場合、小4くらいでひとつのピークに来ることが多いようです。

4分の3、あるいはフルサイズに換えたとたんに、どうも上手くいかなくなったとか、意欲が減退したケースも見受けられます。

こうした時期を上手く乗り切るためにも、音高受験を考えるなら、まずは最適なヴァイオリンの指導者を探すべきでしょう。

ピアノは中学生になってからでもなんとか間に合います。小学校高学年になって音高・音大で教えているヴァイオリンの指導者につき、そこからソルフェージュの先生を紹介してもらうこともできます。

ソルフェージュと副科ピアノを兼ねて教える先生も多く、この場合の利点は受験の副科ピアノがどういう採点をされるかポイントをよくわきまえており、また、日々のヴァイオリン第一の時間配分に理解があることです。

「今の先生に替わって本当に楽になりました」という声はよく聞きます。

付属音楽教室の利点

身近に信用できる情報源があるのなら、個人で教えている先生で良いでしょう。そうでないのなら、音大付属の音楽教室に入れてみるのも概観をつかみやすくなると思います。

地方の音教にいても、受験したい音高・音大名を伝えておくと、本人の状態によって学部で教えている先生のもとに「これこれこういう状況なんですが」と応援の要請がくることもあります。

「やはり国公立に」という場合でも、「それならこの先生はどうか」と紹介が来ることもあります。

本人の性格にもよりますが、中学校に上がるにつれて音高志望者は交友関係が狭まっていく傾向があり、音教の友達に支えになってもらったという生徒も多いようです。

スズキ・メソードの指導者にも音大出身、コンクール入賞者がおりますから一概には言えませんが、本人が本気なら音高・音大生を教えている指導者を探すべきです。

特に男子に比べてハードルの高い女子の場合はなおさらです

【この記事からの気づき(まとめ)】

入試では技術で差がない場合は、気概が伝わる演奏がポイントになるかもしれない。
※補足:例えば藝大入試でも、気概の伝わらない演奏をした藝高生が落ちるケースがないわけではない。

小学校高学年で音高・音大生を教える先生に師事し、ソルフェージュと副科ピアノの先生もその先生に紹介してもらうとよい。

音大付属の音楽教室は人脈・情報・交友関係の点でメリットがあるかもしれない。
※補足:私立の音大だけでなく、2017年から国立の東京藝大でも「東京藝大ジュニア・アカデミー」という附属の音楽教室が設置されている。

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入試では男子に比べて女子のハードルは高そう。

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photo credit: Steve Snodgrass via photopin cc

 ヴュータンは壮大なスタイルで書きました。その音楽はどこをとっても豊かでよく響くものです。自分のヴァイオリンをよく鳴らそうと思うなら必ずヴュータンを弾いてほしいですね。

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