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ウィーン・フィル、新コンサートマスターを発表

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ブルーメンシャインが2年で退団 新たなオーディションを実施

ライナー・キュッヒル氏の後任として、2016年9月よりウィーン国立歌劇場管弦楽団 / ウィーン・フィルの新コンサートマスター候補となったジョゼ・マリア・ブルーメンシャイン氏。

しかし、2年間の試用期間中に、本人の意向による退団が発表され、2018年8月末をもって退団した。

退団理由は不明だが、ウィーン国立歌劇場管弦楽団とウィーン・フィルでのあまりにも多忙な公演スケジュール(歌劇場での連日の公演、定演、国内外ツアー、音楽祭、室内楽等)が理由ではないかとの観測があるようだ。(ブルーメンシャイン氏は2018年9月からケルンWDR交響楽団の第1コンサートマスターに復帰した)

この退団に伴って、2019年2月に後任候補のオーディションが実施され、フョードル・ルディン(Fedor Rudin)氏(26歳)の採用が決まった。

ジュニア時代から多くの国際コンクールに入賞

フョードル・ルディン氏はモスクワの音楽一家に生まれ、パリで育った。

祖父は旧ソ連を代表する作曲家のひとり、 エディソン・デニーソフ(Edison Denisov)氏。

ケルン音楽大学でザハール・ブロン、ザルツブルク・モーツァルテウム大学でピエール・アモイヤル、グラーツ国立音楽大学でボリス・クシュニールの各氏に師事した。

ジュニア時代からのコンクール受賞歴は実に豊富で、「2003アンドレア・ポスタッキーニ国際ヴァイオリンコンクール」カテゴリー1(8~11歳)第1位、「第4回(2004)若きヴァイオリニストのためのルイ・シュポア国際コンクール」カテゴリー1(14歳以下)第1位、「2007ノヴォシビルスク国際ヴァイオリンコンクール」ジュニア部門(11~16歳)第2位、「第2回(2012)ブエノスアイレス国際ヴァイオリンコンクール」第4位、「第32回(2013)ロドルフォ・リピツァー国際ヴァイオリンコンクール」第1位、「第5回(2014)アンリ・マルトー国際ヴァイオリンコンクール」第1位、「2014 ジョルジュ・エネスコ国際コンクール」ヴァイオリン部門第2位、「第55回(2018)パガニーニ国際ヴァイオリンコンクール」第2位など。

ライナー・キュッヒル後継の選考は難航した

伝統と格式を誇る世界最高峰のオーケストラで、重責を担うポジション。しかも、在任45年の名コンサートマスター、ライナー・キュッヒル氏の後継となれば、選考は難航を極めるのも当然だった。

2年に及ぶ後任探し。2014年11月と2015年6月には、一般告知のオーディションが開かれた。

公正性や透明性に対する世間の批判を考慮、公式フェイスブックで選考の様子が写真付で紹介された。

さらにオーディションの公募広告に、「ウィーン国立歌劇場は女性の割合を増やすことを目標にしており、特に才能ある女性の応募を求めています」との一文も添えた。

奏法と音質の統一性を重んじるあまり、長年に渡り団員構成の多様性には背を向けてきたが、もはや時代の波には逆らえない。改善の姿勢を示す変化と見て取れた。

しかし、2度のオーディションでは結局、合格者は出なかった。

2度目の最終選考では、ウィーン国立歌劇場のオーケストラ・ピットで、マリス・ヤンソンス氏指揮の同歌劇場管弦楽団と演奏する課題が与えられたという。

当然、コンマスとしてオーケストラをどう率いていくかが厳しく審査されたのだろうことは想像に難くない。

その後、3度目のオーディションが開かれたという情報には接しなかったが、定年(65歳)を1年間延長したキュッヒル氏の退任が2016年8月末に迫る中、もはや時間的猶予は残されていなかった。

2015年12月16日、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とウィーン国立歌劇場管弦楽団は、2016年9月1日より新たなコンサートマスター候補として、ジョゼ・マリア・ブルーメンシャイン氏を採用すると発表した。

これまでのルールに則れば、2年ほどの試用期間を経ての正式契約となるはずだった。

ウィーンで学んだ経験のないコンサートマスター

ブルーメンシャイン氏は、1985年ドイツ・フライブルク生まれ。

マンハイム音楽大学でヴェラ・クラマローヴァ氏に師事。2001年に渡米して、シカゴのカーティス音楽院でボストン交響楽団のコンマスを22年間務めたジョゼフ・シルヴァースタイン氏(2015年11月に83歳で死去)に師事した。

国際コンクールは「2003ルイ・シュポア国際ヴァイオリンコンクール」第3位、「2006ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリンコンクール」第3位等の入賞実績がある。

2007年にフィラデルフィア管弦楽団でアシスタント・コンマスとなり、2010年からはケルンWDR交響楽団で第1コンマスを務めた。

ブルーメンシャイン氏はブラジル系ドイツ人で、今回コンマス候補となったルディン氏はモスクワ生まれのパリ育ち。共にウィーンで学んだ経験はない。

かつてのようにウィーン音楽院で学び、団員から直接指導を受けた奏者のみを採用する方針は、ウィーン自体が多国籍化・多様化しつつあるグローバルな現代の団員選考においては、もはや成立し得ない状況になっている。

その中で、ウィーン・フィルは今後どのようにして伝統を守っていくのだろうか。

伝統の継承と新たな音の創造に向け

キュッヒル氏の後任となるコンマスの選考ポイントとなったのは、主要なオーケストラでのコンマスの歴任や国際コンクールでの多くの入賞実績によって培われた技術と経験に加えて、将来性を期待しての年齢(若さ)もあるだろう。

ウィーン・フィルの伝統的な奏法・音質・解釈の継承は、グローバルな滋養の中で育った伸びしろのある俊英に託されたのだ。

彼らは、熟達した演奏スキルとこれまでの経験値を拠り所に、「ウィーン・フィル」でしかあり得ない独自の音の創造に参画し、やがてはこれを主導していかなければならない。

新風を吹かせることを期待される彼らは、また一方で、当面は団員から伝統を「叩き込まれる」立場でもあるだろう。

伝統の継承と新たな音の創造。

その難事業を長期に渡って成就していくことが、音楽監督や首席指揮者を置かない自治独立組織たるこの世界最高峰オケのコンマスに求められる役割と言えるのかもしれない。

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photo by Ctny

  • コメント ( 2 )
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  1. José Maria の表記がホセ・マリアとスペイン語音なのはなぜでしょう。
    ブラジル系ですから、ポルトガル語音のジョゼ・マリアのほうが相応しいと思われますが。

    • Chifumi 様
      表記についてご教示頂きありがとうございます。
      記事に修正を加えました。

 ヴュータンは壮大なスタイルで書きました。その音楽はどこをとっても豊かでよく響くものです。自分のヴァイオリンをよく鳴らそうと思うなら必ずヴュータンを弾いてほしいですね。

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