Violinear

【鬼親伝説⑤】 「私の前で好きなだけお泣きなさい」

9_medium_3276731419

鏡よ、鏡よ、鏡さん

よく、泣き顔で、私の前に立って、姿勢や弓の動きをチェックしてるわ。

だいたい、激しく叱られた後に、

「幼稚園児じゃあるまいし」

「ヴァイオリン習い始めて1週間目に教えてもらったことが、5年経っても、まだできていないじゃない」

「才能ゼロ!」

なんていう止めの一言があって、本人が大泣きに泣く。涙が乾いたあとで、演奏フォームのチェックをしろとのお達しを受けて、私の前にやってくるっていうのがパターンね。

そりゃあ、もう、赤く泣きはらした顔で、鼻汁まで飛び出しちゃって。ヴァイオリンには、よだれと涙の後がベットリくっついて、悲惨な状態。

ほんと、見てられないわ。

だから、魔法の鏡にでもなって、「この世で一番ヴァイオリンがうまいのはあなた」 なんて言ってあげたいくらい。

* このシリーズはすべてフィクションです。

photo credit: h.koppdelaney via photopin cc

 悲観的な人は風に文句を言い、楽観的な人は風向きが変わるのを待つが、現実的な人は帆の向きを風に合わせる。
(The pessimist complains about the wind; the optimist expects it to change; the realist adjusts the sails)

ウィリアム・アーサー・ウォード(効く言葉 List

Return Top