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King Gnu(キングヌー)『CEREMONY』全曲レビュー

King Gnu(キングヌー)『CEREMONY』全曲レビュー

King Gnu のサードアルバム『CEREMONY』が、「タワーレコード2020上半期チャート」で邦楽アルバム第1位を獲得した。

R&B、ヒップホップ、ジャズ、クラシック、ラウドロック、グランジロックと、あらゆるジャンルを呑み込んで、 King Gnu 独自のフォーマットに落とし込んだ会心作だ。

先鋭的でマニアックなサウンド構造を持ちながら、同時に多くの人々を魅了してやまないキラーチューンが、これでもかと詰め込まれた傑作アルバムであることは、収録された12曲のうち、TVと映画の主題歌が2曲、TVCM 曲が5曲を占めていることからも明らかだ。

一度聴けば誰もがハマるキャッチーなメロディと怒涛のリズムライン、圧倒的な歌唱力と高度な演奏テクニック、斬新なアレンジと凝った音作り。

King Gnu の『CEREMONY』は、まさに J-POP 史上の金字塔、国内の新たな音楽シーンを切り開く重要なアルバムと言っても過言ではない。

アルバム収録の全12曲を徹底レビューし、その魅力を解き明かす。

01. 開会式

(インストゥルメンタル)
人々のざわめき、管弦楽の不穏な響きから、交響的で勇壮なファンファーレが開会を告げる。

02. どろん

(映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」主題歌)
歯切れの良いボーカルユニゾン、ハードロックスタイルのドラムとベースにホーンセクションが共鳴する。ベースが低弦ソロに入った瞬間にグランジ感が一気に増し、犬の鳴き声(?)まで聞こえる。混沌からカタルシスへ。
MV は眼がバンドに憑依する不気味な世界観を提示してみせた。
どろん | King Gnu

03. Teenager Forever

(ソニー「ノイキャンイヤホン」TVCM ソング)
ラウドロック的アプローチだが、コントロールされたボーカルのシャウト、絶妙なアコースティックギター、サビ部分のベースの凄まじいうねり感など、 King Gnu の演奏力の高さを思い知らされる。
1/17 と 6/19 の TV番組(Mステ)では完全に振り切った怒涛のライブパフォーマンスを披露し、スタジオと視聴者の度肝を抜いた。
成功者のはっちゃけぶりをリアルに活写した MV も必見。
Teenager Forever | King Gnu

04. ユーモア

(「ロマンシング サガ」完全新作、『ロマンシング サガ リ・ユニバース』 1周年記念 TVCMソング)
ミニマルな打ち込みビートに乗ってグルーヴする、キャッチーなブラックミュージック系のメロウナンバー。クラップ、コーラス、マリンバ、アコースティックギターなどが彩りを添え、洗練されたアレンジに心がほどけていく。

05. 白日

(日本テレビ系土曜ドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」主題歌)
言わずと知れた傑作中の傑作。国民的大ヒットとなった極上のファンキーバラード。アルバムの中の1曲として聴くと、楽曲・ボーカル・演奏・アレンジなどあらゆる面で、その素晴らしさを再認識できる。

06. 幕間

(インストゥルメンタル)
ジャズのビッグバンドの響き。ミュートホーンのわななきに、人々の歓声が入り交じりつつ、第2幕へ。

07. 飛行艇

(ANA 国内版「ひとには翼がある」篇 TVCMソング)
4つ打ちビートの地鳴りでスタジアムを揺るがす、大合唱必至の扇動的ロックチューン。ラグビーW杯のスタジアムでかかると観客の受けがよくウエーブが起こった。メジャーリーガー前田健太投手が登場曲に採用、スピードスケートの小平奈緒選手もお気に入りと、アスリートのモチベーションも高める曲。

08. 小さな惑星

(Honda VEZEL「PLAY VEZEL 昼夜」篇 TVCMソング)
ドライブする軽快なメロディーラインだが、そこは King Gnu、決してひと筋縄ではいかない。シンコペーティッドな刻み、歪んだベース音、グランジ感満載のドラム。ギターソロも予期せぬ方向へと跳梁する。スタイルや枠組みに片時も収まらない「上質な奔放さ」こそが King Gnu の真骨頂だ。

09. Overflow

(家入レオさんへの提供曲をセルフカバー)
バウンスフィーリングにあふれるファンキーチューン。腰の据わったベースラインのリフレイン、カッティングギターも加わった切れ味の良いビートに、ソウルフルなボーカルが心地よくはねる。ブレイクからサビへのキャッチーさが秀逸だ。

10. 傘

(ブルボン「アルフォート」TVCMソング)
エクスペリメンタルで不思議な味わいを持つ曲。歌謡性をはらんだメロディーがリリカルに流れる一方で、特異な転調が繰り返される。心情のメタモルフォーゼ(変容)を鮮やかに浮き彫りにする曲。

11. 壇上

(このアルバムで唯一の非タイアップのボーカル曲)
アルバムの締めくくりとしてレコーディング中に急遽作られた曲。常田大希さんが「現在の思いをすべて詰め込んだ」と語るバラード。自らボーカルソロを務め、ピアノも弾き、兄の常田俊太郎さんと共にストリングスも担当した。ここでも絶妙にしつらえた転調がアンビバレントで複雑な心境を際立たせる。

12. 閉会式

インストゥルメンタル
常田さんが東京藝大時代の18、19歳の頃にプレイしたチェロ独奏をフィーチャー。内省的な終幕は次なるステージへの静かな闘志の表明とも読める。

by: 三木拓(音楽ライター)

全曲をダイジェスト試聴
King Gnu 3rd ALBUM 「 CEREMONY 」Teaser Movie

『CEREMONY』 (初回生産限定盤) (Blu-ray Disc付)


CEREMONY (初回生産限定盤) (Blu-ray Disc付)
特典 Blu-rayには2019年4月に行われた東京・新木場STUDIO COAST公演のライブ映像全20曲が収録されている。

『CEREMONY』(通常版)


CEREMONY (通常盤)

セカンドアルバム『Sympa』(通常盤)


Sympa(通常盤)

ファーストアルバム『Tokyo Rendez-Vous』


Tokyo Rendez-Vous

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 悲観的な人は風に文句を言い、楽観的な人は風向きが変わるのを待つが、現実的な人は帆の向きを風に合わせる。
(The pessimist complains about the wind; the optimist expects it to change; the realist adjusts the sails)

ウィリアム・アーサー・ウォード(効く言葉 List

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