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ストラディヴァリの音色は「偶然の誤差」の結果? 米MIT研究

120_2445315029_1c03ae7885photo credit: im000943 via photopin (license)

f 字孔を長く、裏板を厚く

ヴァイオリンの音色の秘密を科学的に解き明かそうとする試みは多いが、このほどアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)が、ストラディヴァリなど名器の個性的な音色は製作時に生じる偶然の誤差から生まれた可能性があるとの研究結果を発表し、欧米のメディアで話題となっている。(Source:“Mail Online”)

研究によれば、7年間にわたり数百挺の名器(ストラディヴァリ、アマティ、グァルネリ・デル・ジェス)を調べた結果、それらの力強く美しい音色の秘密は、f 字孔の形と長さ、さらには裏板の厚さにあり、17世紀~18世紀のクレモナの製作者らは f 字孔をより長く、裏板をより厚くする方向で、ゆっくりとヴァイオリンの形態を進化させてきたという。

そしてその進化は、実は意図されたものではなかったと結論付けた。

「前に作った楽器と同じ f 字孔を作ろうとしても、同じものはできず、必ず小さな誤差が生じてしまいます。薄い板をナイフで切り取る場合も、完璧にはいきません。誤差の発生確率は我々の研究では約2%です。進化の過程に現れるちょっとした変化、偶然に生じたランダムな揺らぎです。」(ニコラス・マーキス MIT教授)

18_219px-9904_Antonio_Stradivari,_1713photo by yo

進化は偶然の産物

製作者が楽器のオリジナルな形を再現しようと製作を繰り返す度に、小さな誤差が生じる。

その意図しない偶然の誤差を重ねながら、結果的にこれらの名器の個性的な音が作られてきたというのだ。

製作者は疑いなく格段に良い耳を持ち、より良い音を出すための選択を重ねてきた。その結果、ヴァイオリンは進化を遂げてきたものの、彼らが最初から良い音を生み出すためのデザイン上の要素を認識していたとは言えないという結論だ。

研究チームは、博物館所蔵の、あるいはコレクターのデーターベースや書籍に記載されたヴァイオリンの画像から得られた技術的な描線(X線やスキャン画像を含む)を測定して得たモデルを元に、この結論を導き出したという。

「ヴァイオリン製作には神秘的で不思議な魅力があります。クレモナの何人かの製作者は、どのようにそれを得たのか、芸術としての型を持っていました。彼らなりの技術と方法論があったのでしょう。しかしこの研究では我々はそれをできるだけ科学的に理解することにしたのです。」(同上)

名器の音色の秘密は、f 字孔の形と長さ、裏板の厚さ「だけ」にあったと言えるのか。

その点をまず解明する必要がありそうだ。

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 ヴュータンは壮大なスタイルで書きました。その音楽はどこをとっても豊かでよく響くものです。自分のヴァイオリンをよく鳴らそうと思うなら必ずヴュータンを弾いてほしいですね。

ウジェーヌ・イザイ(List

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