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スズキ・メソード会長が公式に反論 鈴木鎮一氏の“経歴問題”

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クリングラー教授の娘は欧州スズキの要職に

創始者である鈴木鎮一氏の経歴に疑惑があるとの一部欧米メディアの報道を受けて、11月2日、スズキ・メソード(才能教育研究会)が、会長で鈴木鎮一氏の姪にあたる鈴木裕子(すずきひろこ)氏の名で、公式声明を発表した。

「国際スズキ協会」公式サイト(英語版)

声明では、鈴木鎮一氏の経歴について根拠のない誤った報道がなされていることに「強い憤りを感じる」とし、鈴木氏の経歴の正しさを示す文書を添付しつつ、「カール・クリングラー教授の娘であるマリアンヌ・クリングラー(Marianne Klingler)氏が、欧州スズキ協会の創設メンバーのひとりであり、ドイツスズキ協会の初代総裁であった」事実を挙げている。

マリアンヌ氏は「鈴木氏の指導原理の強力な支援者」であり、鈴木氏が間違いなく自分の父親に師事していたことを何度も明言していたという。

添付された文書は、鈴木鎮一氏がクリングラー教授に私的に師事していた事実と、アインシュタイン博士と親しかった事実を裏付ける2枚の写真の存在に言及している。

1枚は、楽譜を見るクリングラー教授の横で鈴木氏がヴァイオリンを抱えて立っている写真。

Suzuki with Klingler better focus

もう1枚は、アインシュタイン博士が鈴木氏に贈ったとされる「鈴木鎮一さん 我が最良の友の思い出に 1926年11月」とのサインがある自筆肖像画の写真である。

Einstein drawing autograph to Suzuki

文書はさらに、鈴木氏が世界各国の音楽院や音楽大学から名誉博士号や様々な賞を授与されている事実を紹介しつつ、「マーク・オコーナー氏の主張は根も葉もないもの」であり、今回の報道は、「自らのヴァイオリン指導法を普及させたい氏が、メディアを巧みに利用して鈴木鎮一の信用を失墜させようとしたもの」と批判している。

2枚の写真は証拠として十分か?

上記2枚の写真は、いずれもエヴリン・ハーマン著『才能は愛で育つ 鈴木鎮一の人と哲学』に掲載されているもので、オコーナー氏はこの2点の写真の存在を承知の上で、告発レポート を書いている。

オコーナー氏によれば、鈴木氏とアインシュタイン博士との接点を示す資料は2つしかなく、ひとつはアインシュタイン博士がヴァイオリンを贈られたことに対して鈴木氏の父親に送った礼状と、もうひとつはこの肖像画であるという。

肖像画の日付は礼状と同じ1926年11月となっており、この肖像画は明らかにヴァイオリンのお礼に博士が鈴木氏に贈ったものと考えられるという。

アインシュタイン博士は鈴木氏の後見人を務めたとされるが、見つかっている資料はヴァイオリンを贈った時に両者が会ったことを示すこの2つの記録のみで、それ以降、博士から鈴木氏に宛てた書簡などの記録は見つかっていない。

従って、あらためてスズキ・メソード側が両者の知己の証拠資料としてこの肖像画を提示しても、オコーナー氏は「作り話の繰り返し」と反論するだけだろう。

スズキ・メソード側のスタンスは、オコーナー氏の告発にまともに取り合うよりも、過去70年間のこの稀有な指導原理の成果の事実を強調することに力点が置かれている感がある。

すでに公表されたもの以外に、別の資料があるのか、ないのか。

スズキ・メソードにとっては非本質的かつ小さな問題とはいえ、事実や経歴に偽りがないかどうかへの世間の関心が高まりつつある昨今でもある。

「経歴の正しさを示す証拠はたくさんある」とするならば、新たな事実を提示して反証を行う必要があるのではないだろうか。

既報の記事
スズキ・メソード 鈴木鎮一氏の“経歴問題”-英メディアが報道

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  • コメント ( 1 )
  • トラックバック ( 0 )
  1. 通りすがり

    そもそも鈴木鎮一自身は一度もベルリン音楽院で勉強したとは言っていないと思います。また妻のワートラウトはクリングラーが亡くなる前にお見舞いに行ったと書いています。

 ヴュータンは壮大なスタイルで書きました。その音楽はどこをとっても豊かでよく響くものです。自分のヴァイオリンをよく鳴らそうと思うなら必ずヴュータンを弾いてほしいですね。

ウジェーヌ・イザイ(List

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