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コンクールへの準備の仕方-「エリザベート王妃国際」覇者が語る

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留学経験なしで、メジャー国際コン連続入賞

「2015エリザベート王妃国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門で優勝したイム・ジヨンさん(20歳 韓国)は留学経験がない。

韓国紙「中央日報」(日本語版)の 記事 によれば、イムさんはソウル芸術高等学校1年時に韓国芸術総合学校に飛び入学し、現在もキム・ナムユン教授のもとで学んでいるという。

国際コンクールの経験も多くなく、メジャーな大会への出場は「2014インディアナポリス国際」が初めてだった。

「出場自体が夢だった」同コンクールで、いきなり3位に入賞。勢いに乗って、翌年の「2015エリザベート王妃国際」で優勝を果した。

「若いが堂々としている」とキム教授も認める舞台度胸の良さは、「エリザベート王妃国際」でも立証された。

出場を前に、無理な練習がたたって、左腕の靭帯を故障。2ヶ月間練習ができなかったが、「むしろ舞台の上では執着心を捨てることができた。集中して気持ちを楽にして演奏できた」と、逆境をバネにするメンタリティの強さは並外れている。

今後も大学院に進学し、さらに国内で学ぶ計画という彼女は、「国内で学んでいても不足は感じなかった。立派な先生がいて YouTube(ユーチューブ)などで世界の演奏者の水準を見ることもできる」と話す。

コンクールを “楽しむ”

韓国国内で研鑽を積む彼女は、国際コンクールに向けてどのような準備を行っているのだろうか?

弦楽雑誌「ストラド」のインタヴュー に、次のように答えている。

コンクールを楽しもうという考え方を持つことです。楽しめないと、すべてのコンクールが辛い経験となり、結果も思わしくないものとなってしまうでしょう。

彼女の通常の練習時間は1日5~6時間。コンクールの数週間前は、これに1~2時間が加わる。

コンクール前は、練習時間を細切れにしない。課題曲を弾く前に必ず1時間はスケール練習をする等ということはしない。

私にとって最も重要なのは、課題曲のうち、きれいにあるいは心地良く感じられない箇所を見つけ、それらをいかに修正するかということです。修正が必要なパッセージに来たら、速度を落としてゆっくりと練習します。完璧に修正できるまで、2時間以上はそれに費やすことになります。

他者の演奏を聴く効用

課題曲への自分なりの解釈を深めるためには、何をしているのか?

彼女は録音やユーチューブを積極的に利用するようだ。

私はダヴィッド・オイストラフやヤッシャ・ハイフェッツの録音をよく探します。彼らの演奏をコピーするためではなく、私が取り組んでいる曲に対する彼らの解釈の傾向を聴き取るためです。また、若い演奏家のユーチューブの映像も見て、曲に対する準備と練習の仕方のアイデアを得るようにしています。それらはすべきではない事を見い出すのに有益となります。

そして、コンクールで他のコンテスタントの演奏を聴くこと。

曲中の課題に対する取り組み方、解釈の仕方を学べる最も重要な機会であると彼女は言う。

国内で勉強し、海外での演奏経験がほとんどない中で達成した、メジャー国際コン連続入賞。

それを可能にした背景には、2つの努力、コンクール前の練習に工夫を凝らすことと、他者の演奏にできるだけ多く接することがあったようだ。

コンクールでは、自分の出番前はともかく、出番の後でも、他のコンテスタントの演奏を聴かないで済ませる人が見受けられる。

聴きたくない、聴く気になれない気持ちはわかるが、コンクールはその時だけではない。

貴重な勉強の機会を逃す手はない。

イム・ジヨンさん「2015エリザベート王妃国際コン」ファイナル ブラームス:ヴァイオリン協奏曲

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 弦だとか弓の毛だとか、そんなことを意識しているようじゃだめなんだ。ヴァイオリンは弾くものじゃなく、歌うものだ。

レオポルド・アウアー(List

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