ネギショワンドロ・カモッティ 【ねぎしょわんどろ・かもってぃ】
クレモナのモダン・イタリーっぽい名前のようだが、楽器のことではない。
あまり筋のよろしくない楽器店の店員の間で使われる俗語で、フルサイズのヴァイオリンを探しにきた「いいカモ」のおけいこニスト親子を指して使われる。
彼ら店員は、親の服装・立ち居振舞い・話ぶりの特徴から、その職業及び資産・収入の状況を鋭敏に嗅ぎ取り、また子供が試奏するその弾きっぷりと音から、資質と腕前のほど、そして将来性までも正確に把握する。
そして親の子供に対する期待度の高さや、「見栄」を見越して、その家の楽器に対する投資可能額の本音のところに見当をつける。
表面上「うちは家計的に100万円以上は無理です」と言っていても、子供に対する期待度が高ければ、必ずその親は300万円までは出せるはず、などという算段に極めて長けているのだ。
こうして「あのお客様はネギショワンドロ・カモッティ」と名指された客には、店側にとってもっとも「おいしい」楽器が売却されることになるかもしれない。
関連語
「目が点」: エリートおけいこニストが持つフルサイズの楽器の値段が「メガテン」(mega ten =「1メガ」は100万倍だから、10の100万倍で1000万)クラスというあまりのべらぼうさに驚きあきれ果てるさまを言う。
photo credit: neil conway via photopin cc