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コンクールの結果発表前に-門下先輩後輩ママのカフェトーク

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「歌劇都市」のカフェにて

「お待たせ。」

「あっ、Aさん、お疲れさまでした。」

「先生はお帰りになったの?」

「はい、Aさんところが終わった後に、ご用がおありということで」

「(先生も落胆したかな) そう。」

「素晴らしい演奏でしたよ。さすがです。“今年は絶対ブルーローズで順位を獲る” 感、満載でしたね。」

「(後輩のくせに上から目線&見え透いたヨイショ) 何言ってるのよ、もうあちこちミスだらけで、完全放心状態。涙がこぼれないように、上を向いていたい心境」

と窓越しに見える歌う巨人の像を指差す。

「このカフェ、あの駅前にもありましたよね。」

「思い出すわ。去年も終演後はこのカフェ・チェーンでコンクール談義。」

「そしてホールは閉館。」

「ちょっとノスタルジックな気分になるわね。」

審査員席にテーブルが・・・

「今年のホールは小さくなったけど、響きは良かったわよね。」

「響きの良さは問題点も露わにしてくれます。うちなんか、もう恥ずかしくて。」

「(憎たらしいけどノーミスでかなり良かった) 何言ってるの。良かったわよ。試演会の時よりさらにステップアップした感じ。」

「そうですか? Aさんにそう言って頂くとうれしいです。出場自体が目標でしたから。」

「(見え透いた謙遜) 他にも分数楽器の人がチラホラいたわね。」

「小4の本選進出者、今年も何人かいらっしゃるんでしょうねえ。うちは絶対無理だけど。」

「(見え透いた謙遜その②) それにしても、あの審査員席は・・・」

「会議テーブルが置いてあって、“審査してます” 感、満載でしたね。」

「響きが良くて温かい雰囲気だけど、ちょっと威圧感が・・・。まあ、コンクールだから仕方ないか。」

「入試なんかもあんな感じなんでしょうか。テーブルの向こうに試験官が並んで・・・」

「(あら、この人もう音高入試のこと考えてるんだ) ・・・」

次は世界へ、次はフルサイズへ

「ドイツのコンクール・・・」

「過年度小中学校の部入賞者はジュニア国際コンに早速挑戦。もはや、そういう流れね。飛び入学の要件でもあるし。」

「国際コンって、エントリーするだけでも大変そう。うちなんかそもそも海外旅行も行ったことないですし。」

「(嘘つけ。春休みに先生に内緒でウィーンのマスタークラス受けたらしい噂あり) 常に上を目指す。その思いが強くないとね、子も親も。」

「強靭なメンタルが必要ということですね。」

「と、経済力も。」

「・・・ そろそろ、うちもフルサイズに買い替え時期です。」

「(この人いくら位で考えてるのかしら) 先生お奨めのお店はあるけれど、いろいろと他も回ったほうがいいわよ。」

「昨年の中学校・高校の部の全国大会ではヴィヨームとトッパーニの貸与が決まって、残りは3挺のようです。」

「(なに、いきなり中・高の部の話題?) よく把握してるわね。」

「はい、もう、いろいろと調べてます。」

「3年間無償貸与だから、年に1~2挺が貸与される感じね。」

「残る3挺は、ヤコブ・シュタイナー(1669年)、ジェナーロ・ガリアーノ(1774年)、トマソ・カルカッシ(1751年)です。」

「(製作者名までインプット。この人、力入ってるわ) 今年うちの門下からはBさんが高校の部出場か。」

「海外オークション価格で数千万円。昨年の例では全国大会優勝でなくても貸与されていますね。」

「本当にあなたよく把握してるわ。まさか中学校になったら、狙ってる?」

「いえいえ、めっそうもありません、うちなんか。夢です、夢。」

「(見え透いた謙遜の連射) ・・・」

発表は・・・一緒に見ないに限る

「もうそろそろ終演の時間ね。」

「発表は30分後です。」

「(見たくない心境) ・・・」

「あの “巻紙ジャーン” の発表の瞬間、考えただけでもドキドキしますよね。」

「(ずいぶんと落ち着いた物言い。やはり自信あるのか?) ・・・」

「8割近くの人が落選という厳しい審判の場に、当事者として初めて立ち会える。それだけで、うちは幸せなんです。」

「(謙遜もここまでくると明らかな嫌味) ・・・」

「どうしたんですか?、Aさん。」

「・・・」

「大丈夫ですよ、Aさんところは。」

「(もしうちが落ちて、この人のところがうかったら) ・・・」

「それではいざ、参りますか。」

「(絶対に一緒にいたくない、というか、もう帰ってしまいたい心境) あっ、ちょっと私、買い物したいものがあって・・・」

「えー、そうなんですか。」

「ごめんなさい。後で行くわ。」

「わかりました。それでは後ほどロビーでお会いしましょう。」

「(誰が行くか、もう帰るわ) 後ほどね。」

「わあー、なんかドキドキするけど、ちょっと楽しみですね。」

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 弦だとか弓の毛だとか、そんなことを意識しているようじゃだめなんだ。ヴァイオリンは弾くものじゃなく、歌うものだ。

レオポルド・アウアー(List

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