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【復活】 「パブロ・サラサーテ国際ヴァイオリンコンクール」

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復活は元気よく “サラサーテ・ライブ!”

スペインのナヴァラ州パンプローナ(サラサーテの出身地)で開催されてきた「パブロ・サラサーテ国際ヴァイオリンコンクール」は、2011年の第11回大会の後、主催するナヴァラ州の財政状況の影響から、第12回大会(2年に1度)の開催の目処が立たず、延期となってきた。

2014年1月になってナヴァラ州政府は、「財政状態が許せば、2015年に再開、その代わりに、2014年9月に開催予定だったジュリアン・ガイアーレ国際声楽コンクールは行わない」との計画を発表。

以来その動向が注目されていたが、ナヴァラ政府が11月4日、第12回大会を4年ぶりに2015年6月28日~7月4日に開催すると発表した。

コンクールの概要がアップされたウェブサイトは「サラサーテ・ライブ!(SARASATE LIVE!)と題され、コンクール以外にも、室内楽アカデミーやサマースクール、弦楽器製作者のカンファレンス等を実施する「構想」が盛り込まれている。

“SARASATE LIVE!”

サラサーテ生誕地としてコンクール以外にも各種イヴェントを展開していく、いわば「地域創生プロジェクト」的な構想とも受け取れるが、コンクール以外の具体的な実施詳細はまだ明らかになっていない。

主催するナヴァラ州や州都のパンプローナの財政事情が急回復しているわけでもなさそうで、「第12回サラサーテ国際」の賞金規模等には、その苦しい台所事情が透けて見えてくる。
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審査委員長は米大手マネージメント会社の幹部

「第12回サラサーテ国際」の主催はナヴァラ州政府とナヴァラ交響楽団(1879年にサラサーテが創設)で、組織委員会の委員長(審査委員長も兼任)は、ニューヨークの「コロンビア・アーティスト・マネジメント( Columbia Artist Management INC)の取締役上席副社長のダグラス・シェルドン(R. Douglas Sheldon)氏。

「コロンビア・アーティスト・マネジメント」は、アンネ=ゾヴィー・ムター、ヴァジム・レーピン、ジュリアン・ラクリンらが 所属する 大手マネージメント会社として知られる。

また、コンクールのアーティスティック・ディレクター(審査員も兼任)には、ナヴァラ交響楽団の音楽監督で、2012-13年シーズンまでワルシャワ国立フィルの音楽監督を12年間務めた アントニ・ヴィト(Antoni Wit)氏 が就任した。

審査員は、上記2名の他に5名以上とし、マネジメント・エージェント業界、あるいはヴァイオリンの指導者から選ぶとしている。(この他にナヴァラ交響楽団のマネージング・ディレクターとコンクール事務局長が「投票しないが口は出す(with a voice and no vote)」としている)

審査員は指導者と音楽関係者でバランスを取る人選

このような審査員の人選は、明らかに9月の「インディアナポリス国際」でクローズアップされた 「審査員の生徒の出場問題」 を意識しているようにも思える。

ヴァイオリンの指導者以外の、オーケストラのディレクターやマネジメント会社幹部などの音楽業界関係者の審査も取り入れ、コンテスタントの入賞後のキャリアアップのサポートを重視しようとする点では、3月に開催される「パガニーニ国際」と同様の特色を打ち出しているとも言えるが、審査員団の顔ぶれは、「有力なヴァイオリン指導者を排除する」 と宣言した「パガニーニ国際」ほどは徹底しておらず、指導者も審査員に選びつつ、音楽業界関係者の人選とのバランスを取る形になっている。

しかしながら、入賞は第1位(賞金2万ユーロ・約280万円)と第2位(1万ユーロ)のみ。

コンテスタントへの交通費の補助はなく、セミファイナリスト以上に宿泊と朝食が提供されるのみと、苦しい台所事情が仄見えてくる。

入賞は1位・2位のみ メリットは「コンサート契約」

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審査員団のオケやマネジメント関係者の手腕と人脈で、入賞賞金ではなく、コンサート契約等の副賞においてメリットを提供したいという意図は明白であり、審査委員長の目に留まった場合、入賞者には「コロンビア・アーティスト・マネジメント」と1年間の代理人契約を交わす権利が付与される。

また、優勝者には2016-17年、あるいは2017-18年シーズンで、ナヴァラ響(スペイン)、カスカイス&オエイラス室内楽オケ(ポルトガル)、クラクフ・フィル(ポーランド)との共演、マドリード王立上級音楽院での2015-16シーズンでのリサイタル(サラサーテが同音楽院に寄贈したストラディヴァリウスによる)等のオファーが予定されているという。

事前審査はサラサーテとパガニーニ 「チャイコン」との併願は不可能

応募条件は16歳~25歳まで。

事前審査(YouTube または Vimeo 等による映像リンクを提出)を通過したコンテスタントが、ナヴァラ州パンプローナで行われる本審査3ラウンドに出場する。(第1ラウンド6月29・30日、第2ラウンド・セミファイナル7月1日、ファイナル7月4日)

事前審査の課題曲は、任意のサラサーテ作品1曲とパガニーニの任意のカプリース1曲。

応募締切は2015年1月12日。

事前審査通過者は2月12日に発表される。

“12th PABLO SARASATE INTERNATIONAL VIOLIN COMPETITION RULES AND CONDITIONS”(PDFファイル)

2015年6月は「第15回チャイコフスキ国際」(モスクワ 第1ラウンド6月17日~20日、第2ラウンド6月21日・22日、セミファイナル6月24日・25日、ファイナル7月4日)も開催される。

事実上、「第12回サラサーテ国際」との「併願」出場は難しく、実力者らがどちらにエントリーしてくるかにも注目が集まる。

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 弦だとか弓の毛だとか、そんなことを意識しているようじゃだめなんだ。ヴァイオリンは弾くものじゃなく、歌うものだ。

レオポルド・アウアー(List

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