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音楽を推進する「リズム」は、ソロ練習だけでは学べない

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ジュニアオケに入ると「耳が悪くなる」?

たとえ親が音楽家であっても、単独では与えてやれない環境、それは四方八方から種々雑多な楽器の音が飛んでくる、オーケストラの一員としての環境です。

こればかりはその渦中に身を置いた者にしか分からないものです。

3~5歳からそれなりの指導者の下でヴァイオリンを始めて、そこそこ弾けるようになった子供を、一度オケに入れてみたいと思うことがありますが、そういう場合に限って、「耳が悪くなる」「音程が・・・」と二の足を踏んでしまうケースがあります。

音程や表面的なテクニック(指が回るとか弓が飛ぶとか)に捉われすぎていて、本質的な要素を忘れているためです。

一対一のレッスンを受けていると、相手は大人で伴奏者も大抵ソロに合わせて弾いてくれるので、実は引っ張ってもらっていても、自分は音楽が分かっていると思い込んでしまう例が多々あります。

こうした生徒がジュニアオケに入ると、周りがとてつもなく下手に見えて仕方がない、皆音程は悪いし指も回らず弓も飛ばせないし、と文句を言うことがあります。

そういう自分はというと、指揮者のタクトも本当の意味では見ておらず、周りと呼吸を合わせようという気持ちもありません。

音楽を進めていくのは「リズム」

よく誤解されるのですが、「呼吸を合わせる」というのは何も「協調性云々」という意味ではありません。

リズムのためです。

これもまたよく誤解されているのですが、リズムとは拍子のことではありません。ある時は2小節で、ある時は2分の1小節で、と変幻自在に変わっていくリズムのことです。

音楽を進めていくのは正しい音程でもテクニックでもありません。(ちなみにオケの全員が全く同じ「正しい」音程で演奏したら、これはもう聴く側には耐えられません)

作曲家がそれこそ秘術を尽くして書き込んだリズム。

これが種々雑多な楽器・演奏者を強力に纏め上げて、音楽を前に進めていくのです。

演奏が「平板」なのはリズムの変化が分かっていないから

リズムはソロの練習ばかりしていると、なかなか体感できません。頭では分かったつもりでいても、苦労していませんから肌で感じ取れないのです。

弾ける子なのにどうも平板だ、おとなしい、という場合には、このリズムの変化が分かっていないことが多いと思われます。

しかも厄介なことに、リズムの要を握るバスがピアノ譜から抜け落ちている部分もあり、だからスコアを当たれ、と言うのですが、オケ経験がないとどうしてそんなことをしなければならないのか理解できないことも多いものです。

様式感、時代性といったものにも、実は和声以上にこのリズムが深く関わっています。

ヨーロッパで書かれた学生オケのためのオーケストラ・スタディを眺めていると、このリズムの違いをなんとかして分からせたいと手を変え品を変え様々な素材を料理している苦心の跡がうかがえます。

オケで弾いて楽しい、というのは無意識的にでもこのくるくる変化するリズムを掴んで弾けたときです。

その感覚をより多く味わってもらえるよう指導できるのが、ジュニアオケの良い指揮者といえるでしょう。

ですから入団に際しては、メンバーの巧拙はどこのオケでもあることとある程度は割り切り、そこの指導者が何を伝えようとしているかに注目して判断をする必要があると思われます。

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photo credit: codersquid via photopin cc

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 ヴュータンは壮大なスタイルで書きました。その音楽はどこをとっても豊かでよく響くものです。自分のヴァイオリンをよく鳴らそうと思うなら必ずヴュータンを弾いてほしいですね。

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