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「自然に弾く」とは?

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音楽は「自然に」生まれたものではない

「自然に弾く」は演奏家にとって究極の目標でしょう。ただし、それはあくまでも音楽に沿っての話です。

演奏家がステージで弾く音楽は「自然に」生まれたものではなく、作曲家がそれぞれの才能の限りを尽くして人工的に作り上げたものです。

ですから「自然に弾く」とは、これをいかに「自分のものとして弾くことができるか」ということで、まずは、作品世界に対する「共感」が不可欠となります。

次に演奏家は、その音楽を自分の体を通して聴衆に伝えなければなりません。

和声・リズム・フレージングをいくら学んでも、あるいは自分で頭ではわかっているつもりでいても、身体がそう動いてくれない。

これが「自然でなくなる」原因のひとつとなります。

たとえば楽節の中で休符が出てくると、その度につい無意識的に休んでしまう。

ロングトーンで歌っていくフレーズでは、弓を返すたびに音が切れてしまう。それを何とかしようとして、一音一音中ぶくらみの音を出して歌ったつもりになっている等、不自然な演奏の例はいくつも見かけます。

作曲家が書いた音楽の時間を共に “呼吸する”

そうした場合に、頭と身体、あるいは心を結びつける対処法のひとつが呼吸ではないでしょうか。

作曲家が書いた音楽の時間を共に呼吸することによって共有するということです。

確かに今まで呼吸のことなど考えたことのない人にとっては、「特別な訓練」なのかもしれませんが、専門の勉強を志すのであれば避けては通れない、あるいは当然の訓練だと捉えるべきでしょう。

専門家の間で常に評価の高い F.P.ツィンマーマンの演奏を間近で見る機会がありましたが、シューマン、ブラームス、ベートーヴェンなどの演奏では、非常に長い呼気をとっており、間のブレスはまさに鯨の息のような音がしていました。

勿論、まだきちんと息が続かない小学生に対して、何が何でもフレーズを守れと強要することは不可能です。

まだ身体が出来上がっていないうちは、「本来切るべきではないが、他に適当な場所が見つからないから次善の策としてここでブレスをとろう」といった指導を心がけることになります。

また、弾きながら十分な腹式呼吸を行う感覚を掴むまでには、それなりの時間も必要です。呼吸を意識するあまり、せっかく取得したテクニック、ボウイングが乱れてしまうこともあり得るでしょう。

そんな時には、指導者も保護者も「そういうものだ」と心得て、ゆったりと構えておく必要があります。

次のステップに進むために必要なことで、「慣れれば必ず前よりずっとよくなるから」と本人を励ましながら、習慣となるまで根気よく続けさせていくことが大切です。

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photo credit: _DSC6529 via photopin (license)

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 ヴュータンは壮大なスタイルで書きました。その音楽はどこをとっても豊かでよく響くものです。自分のヴァイオリンをよく鳴らそうと思うなら必ずヴュータンを弾いてほしいですね。

ウジェーヌ・イザイ(List

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