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「音をよく聞きなさい」と言うだけでは聞けるようにはならない

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「何を」「どう」聞いたらいいのかを示すのが指導者

指も回るようになり、ボウイングもある程度落ち着いてくると、「もっと一音一音を大切にしなさい」「自分がどんな音を出しているかよく聞きなさい」などと言われるようになることが増えてくるでしょう。

指導者側からすれば、「弾くので手一杯という状態から脱しつつあるのだからもう少し頑張って欲しい」と思うからなのでしょうが、あえてきつい事を申しますと、「音をよく聞きなさい」というのは、ただ「勉強しなさい」「勉強しなさい」と言うのと同じことで、誰にでも言える言葉です。

「何を」「どう」聞いたらよいのかを明示できなければ、指導者とは言えません。

テクニック的に難しい箇所や、速いパッセージを弾き飛ばしている場合には、その箇所だけ取り出して速さを2分の1に落として弾かせたり、重音で弾かせたりする。すると左手のあいまいさが本人にもわかってきます。

フレーズの終わりを「千切っては投げ」方式で弾いている場合には、「何分音符?」あるいは「そこのピアノ譜はどうなってる?」「何終止?」と尋ねます。

完全終止、不完全終止、半終止、変格終止くらいは中学生までにはある程度弾き分けられるように徐々に指導していくべきです。

曲の始まり、あるいはフレーズの最初の音を弾き飛ばしている場合は、そこだけ取り出してまず弾かせ、「その音はあなたのイメージ通り?」と訊きます。転調しているなら「何調?」「○調なら違う音だよね?」と尋ねていきます。

理論に基づくレッスンの重要性

そもそも小学校5、6年生から中学生になりますと、曲の理論的解釈を入れずに練習するには無理が出てくるものです。

朗読と同じで、文字を追って読めるようにはなっても、「ハイシャ」が「歯医者」を指すのか「敗者」を指すのか「廃車」なのか、分からなくてはイメージの湧きようもありません。

趣味で習うならともかく、音高・音大が頭にある生徒さんならそろそろ曲の形式(単純なA-B-Aではなくソナタ形式なら第1主題、第2主題、展開部、等)、転調の規則(平行調・近親調など)、機能和声を実技で学習していくべき時期です。

曲でなければエチュードのカイザーやクロイツェルの1曲を理論的に解釈して弾いてくるという課題の与え方でもいいのです。

こうした指導は指導者にとっても生徒にとっても時間がかかり、面倒ではあるのですが、これをやらずに逐一細かく指示を出し、バリバリ弾けるように仕込もうとするから、入試が終わって「どうしてあんなに弾ける子が・・・」という結果になってしまうのです。

逆に「あんなに下手だったのにどうして・・・」という場合は、学部の先生について理論に基づいた演奏を叩き込まれたケースが多いと言えるでしょう。

とはいえ、現在師事している指導者に「理論に基づくレッスンをして欲しい」とは言い出せない等、それぞれに事情もあることでしょう。

とりあえず自宅でもできる練習法としては、メトロノームを使い半分の速さで弾かせる他に、まとまった時間を与えて「イントネーションにあった弓の配分」を考えさせてみるのも一法でしょう。これだけでも随分変わってきます。

小さい頃から「音楽性がある」と言われる子は、このイントネーションに対する感覚が鋭敏な子です。

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photo credit: Steve Snodgrass via photopin cc

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 ヴュータンは壮大なスタイルで書きました。その音楽はどこをとっても豊かでよく響くものです。自分のヴァイオリンをよく鳴らそうと思うなら必ずヴュータンを弾いてほしいですね。

ウジェーヌ・イザイ(List

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