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スズキ・メソードが「よく弾ける子」を量産してきた理由とは?

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外国語習得法とスズキ・メソード

スズキ・メソードがここまで広く受け入れられた背景には、外国語習得理論の変遷と軌を一にするものがあるのではないかととらえています。

外国語学習では、従来あった文法読解法ではいつまで経ってもしゃべれないという批判から、「母語環境と同等の条件を設定する」というダイレクト系メソッドが生まれ、さらに戦後アメリカで「ネイティヴ・スピーカーのように外国語が使えるようになること」を目標とするオーディオリンガル・メソッドが隆盛となりました。

この理論が確立されたのち、従来の外国語教育のカリキュラムは根本的な見直しを余儀なくされました。

少なくとも初期の段階では文法や文学の学習は除外され、まず耳でしっかり聴いてそれが口頭で言えるようになる口頭技能の訓練に焦点があてられるようになりました。

「聴いて覚え、型の練習を繰り返す」効用

この理論を外国語=音楽、文法=理論と読み替えると、スズキ・メソードが相当な影響力をもつに至った理由が見えてくると思います。

語学の場合はパターン・プラクティスの限界は非常に早くやってきます(トラブル処理が出来ないなど)が、音楽の場合は過去に書かれた曲を演奏するわけですから、専門家を相手にする以外は技術と解釈能力の乖離は露わになりにくく、メンコンを「音楽的に」弾きこなす小学生を量産する成果をあげました。

スズキ・メソードが習い事としてのヴァイオリン人口を広げると共に、演奏技術の向上(数人では底上げにはなりえません)に貢献したことは間違いのないところでしょう。

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理屈抜きで「仕込む」「振り付ける」指導の “先”

ただ、ヴァイオリンの指導法自体もゆっくりではありますが変化しています。

従来、スズキ・メソードに限らず、中学生くらいまではともかくスピカート、ワンボウなど演奏技術に磨きをかけて弓の配分まで指導者が仕込む、何の為にそう弾くのか一切分からなくても振り付けどおりに弾ける子が「出来る子」で通ってきました。

自分で納得が行かないと弾けない子は、「下手」「本番に弱い」と言われてきました。

しかし、これからはコンクール用振り付けは別として、少しずつその子に理解できる範囲で理論も入れ、手持ちのカードでどれだけ自分の音楽が出来るか教えていく方向に変化していくことと思います。

そうでなければ音楽は単なる他人の演奏のコピー競争に堕してしまうからです。

なお、現在はスズキ出身者が芸大・桐朋を出て指導者になるケースが増えていますので、その指導を受けてかなりバランスの取れた生徒が育ってきつつあることを付け加えておきます。

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photo : Suzuki Association of the Americas

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 弦だとか弓の毛だとか、そんなことを意識しているようじゃだめなんだ。ヴァイオリンは弾くものじゃなく、歌うものだ。

レオポルド・アウアー(List

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