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【学生音コン 中・高校の部】 予選の結果をどう受け止めるか?

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※以下の記事は2003年9月29日に投稿されたものです。

今回の「学生音コン」(2003年)の予選は、高校の部のイザイ無伴奏が12名、中学校の部のバッハ無伴奏が14名と非常に厳しい結果でした。

予選通過者は既に本選課題曲の仕上げに取り組んでいるはずですが、落選者は「良薬は口に苦し」という言葉を噛み締めて欲しいと思います。

中学生のなかには王子ホールでバッハが弾きたい趣旨の子も混じっていたようですが、中・高の段階では殆どが一応専門家を目指して勉強中のはずです。

それがどの調を弾いているのか調性が感じられない、三度六度属七などの音程が悪すぎる、旋律的・和声的の弾き分けも分かっていない、弦楽器の一体何を勉強してきたのかと問いたい演奏が多すぎました。

そうでなくとも「無伴奏」と出たら音程には最大限の注意を払うべきです。

スケールをさらう重要性

「自分は・この子は耳がいいから」と高をくくっていると、耳は怠け者ですからたちまち音程が狂ってきます。

伴奏付ならピアノ合わせの段階でその枠にはめ直しがききますが、無伴奏では怠けたつけが直接自分に返ってきます。

「どこが悪くて落ちたのか」と訊かれて、「スケールさらった?」と訊くと大抵が「でも時間がなくて」と直前1,2週間以上さらっていなかったりします。

直前に追い込まれて、しかも本選の曲はテクニック的にも大変なので平行して練習しなくてはならない、悠長にスケールなどやっている暇はない、と焦る気持ちは良く分かります。

しかし弦を専攻する限り、これは三度の食事と同じなのです。

旋律的・和声的音階、三度六度オクターブアルペジオを聴き取る力は、365日継続していかないとあっという間に「ロバの耳」と化します。いくら音が良くて指が回っても、「ロバの耳」ではプロの資格はありません。

この点は音大ピアノ科卒の保護者でも変化に気づかず見過ごすことが多いのです。

「学生音コン」をカリキュラムに組み入れる

といって専門家になろうという子にレッスン毎に「スケールさらってる?」と訊くのも如何なものか。やはり痛い目にあって見なければ、毎日の積み上げの重要性は身に染みません。

プロとしてやって行くつもりなら自分の身及び耳を守るために何をなすべきか、落選者はこの機会にもう一度良く考えてみることです。

これは腕・肩にも言えることで、たかだか予選で故障を起こすのであれば普段のトレーニングを組み直すべきです。

中学生で専門家を目指す方向が決まったなら、余程進度が遅れていてぎりぎり入試に間に合うかどうか、という状態の子をのぞけば(実は専門家の目から見るとそういう子は案外多いのですが)、「学生音コン」はカリキュラムに組み入れて指導したほうがいいでしょう。

特に中学生になって伸びてきて自分の音楽ができるようになった、あるいは周りから上手だと言われる子は、特に外の風に当てたほうがいいのです。

落選に別の逃げ道を作らない

肝心なことは、たとえ落選しても「小手調べ」「解釈の違い」「好き嫌い」を逃げ道にしないことです。

予選で落選するのは、やはり日々の練習で欠けているものがあるからで、辛くてもその現実は直視しなければなりません。その日の不調で左右されるようなら、それはその子の力が付け焼刃だからです。

直前のアドバイスが本番で飛んでしまうことなどよくあることです。飛んでしまうのなら、頭が真っ白になってもこなせるように、日々の練習をすればいいだけの話です。

結果で不審に思うことがあるなら指導者に尋ねてみて、具体的な処方箋が返ってこないようなら指導者を変えるべきでしょう。

順調にここまできたように見える子でも、実は表に出ないところで辛いスランプの時期を乗り越えてきています。

肝心の舞台で思うように弾けなくなる、指導者のやり方が悠長に思えて何かもっと他に近道がないかと疑う等々、どれほど天分に恵まれた子でも自分との長い闘いがあったうえでの今日であることを想像して欲しいと思います。

補足

この年の「学生音コン」(2003年 第57回)の課題曲は以下の通り。

【中学校の部】
【予選】バッハ:無伴奏パルティータ 第3番より プレリュードとガボット
【本選】ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲 第5番 第1楽章 *カデンツァはNo.1、No.2のいずれかを選択

【高校の部】
【予選】イザイ:無伴奏ソナタ 第3番「バラード」
【本選】グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 第1楽章

【小学校の部】
【予選】ヘンデル:ヴァイオリンソナタ 第1番 第1楽章・第2楽章
【本選】ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 第3楽章

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photo credit: L. Bernhardt, Resident Loon via photopin cc

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 弦だとか弓の毛だとか、そんなことを意識しているようじゃだめなんだ。ヴァイオリンは弾くものじゃなく、歌うものだ。

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