Violinear

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「ヴヰウタン、エードン、ビートーブェン」って・・・?

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「音楽取調所」で学生に対して基礎的なレッスンが行われていた頃、フランスのヴァイオリニストを招いて演奏会が催された。

曲や作曲家の知識もない。ヴァイオリンの音色や技術も暗中模索の状態の中で、実演された外国人の演奏は、学生たちに新鮮な驚きをもって迎えられたことだろう。

1885年(明治18年)6月刊行の『大日本教育会雑誌』二十号の記事は、こう伝えている。

「明治十八年六月八日ヴァイオリン奏者モーレル(佛国)を招待して音楽演奏会開催。

◆ ファンテージー 曲目  カプリス 曲目    作者ヴヰウタン

白耳義風クラシック音楽

◆ ロマンス、アン、ファ 曲目   作者ハン、ビートーブェン

獨逸風クラシック

◆ グラン、コンセルトー   作者シャルル、ド、ベリヲー

佛蘭西風クラシック音楽

◆ スーブニール、デードン 曲目 作者エードン 調和者レヲナール」

おそらく演奏者側から提示されたプログラムを翻訳しているのだろうが、曲目なのか、作曲者名なのかをあえて表示。また曲の紹介として「ドイツ風」などと簡単にコメントしている。何もかも、見るもの聞くものが初体験、それは「教育的配慮」だったのだろう。

最初の曲はアンリ・ヴュータンの『ファンタジー・カプリース』であろう。「白耳義風」は「ベルギー風」である。

次はベートーヴェンの『ロマンス』。第1番ト長調と第2番ヘ長調があるが、どちらであったかは不明。

3曲目はシャルル・オーギュスト・ド・ベリオで『コンセルトー』とある。ベリオの協奏曲は1番から10番まであるが、そのいずれかであったのだろう。

次の曲は、「スーブニール、デードン 曲目 作者エードン 調和者レヲナール」とある。

作者の「エードン」は、「ハイドン」のフランス語読み。 Souvenir d’Haydn、邦訳すると「ハイドンの思い出」。

『ハイドンの思い出』はベルギーの作曲家・ヴァイオリニストのヒューバート・レオナルドが作ったヴァイオリンとピアノのための小品である。

現在から見ると、まるで「判じ物」じみてくるが、このプログラムにはさらに興味深い点がある。

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  • コメント ( 1 )
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  1. ベートーベンのロマンスはファとあるからへ長調の方じゃないでしょうか?

 弦だとか弓の毛だとか、そんなことを意識しているようじゃだめなんだ。ヴァイオリンは弾くものじゃなく、歌うものだ。

レオポルド・アウアー(List

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