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【芸高】 平成26年度 東京藝大附属高入試を振り返る

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最終合格までに2度の選抜 “超ハード” な5日間

年明けの1月20日頃、上野公園の東京藝大付近には、様々な楽器を背負った学生と保護者の姿がある。

決して数は多くないが、どの顔も真剣そのもの。そしてプレッシャーと疲労の影がひときわ濃い。

息つく暇もないハードな5日間。人生でも最大の試練のひとつと、経験者は大げさでなくそう語ることがある。

専攻実技、楽典・聴音、副科ピアノ、学科試験(国・数・英)、面接。

最終合格発表まで2度の実技試験の結果発表が挟まれ、こぢんまりとした学校敷地内の合格掲示板の前では、その度に様々なドラマが生まれる。

平成26(2014)年度の「東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校」(以下、芸高)の入試は、受験者が109名、最終合格者は43名(併願3名含む)、競争率は2.53倍だった。

ヴァイオリン専攻の受験者は27名。1月20日9:00から、第1回目の実技試験が行われた。

課題曲は、カール・フレッシュ:スケールシステムよりロ短調(フィンガード・オクターヴ、10度の重音含む)と、バッハ:無伴奏ソナタ第3番より第3楽章(ラルゴ)と第4楽章(アレグロ・アッサイ)。居並ぶ藝大器楽科弦楽専攻の教官らの前で、極度の緊張を強いられながら、音階とバッハを演奏した。

受験生が師事する教官は、その受験生の採点には加わわらないルールがある。

合格発表は受験当日の16:30以降。合格発表を見に行く足取りは否応なく重くなる。

27名中、16名が合格。思わず掲示板を何度も見返してしまう。コンクールの結果発表などとは全く訳が違う。重圧からの少しの解放と安堵、大いなる落胆と涙・・・

最後まで気を抜けない 倍率だけでは語れぬ “厳しさ”

第2回目の実技試験は、1月22日9時15分より。課題曲のヴィエニャフスキ:協奏曲第2番第1楽章を試験係員の先生の伴奏で演奏した。

合格発表は受験当日の18:00以降。

16名中、13名が合格。ヴァイオリン専攻の最終合格者数目安(10~12名程度)まで、容赦ない絞り込みが続く。

ヴァイオリン専攻はヴィオラ専攻を併願でき、しかもヴィオラ専攻はヴァイオリンで受けられる。

但し、試験は2度受けなければならない。(ヴァイオリンでヴィオラ専攻を併願する場合は、1月22日午後に再度ヴァイオリン専攻と同じ1回目と2回目の課題曲を演奏。但しカールフレッシュはフィンガード・オクターヴと10度の重音はなし、ヴィエニャフスキは伴奏なしで弾く)

1月23日は9:00から楽典と聴音、そして副科ピアノ、翌1月24日は9:00から国語・英語・数学の学科試験、昼食休憩を挟んで、14:30から面接。

入試第6日目となる1月25日13:00に、最終合格者が発表された。

13名中、12名が合格。

芸高入試は実技重視だが、最終合格はあくまで総合点により決定される。

実技の2回目が通っても、安心はできない。その通過ラインが、楽典・聴音・副科ピアノと学科3科目の試験の結果と総合されて、最終合格者が決定されるからだ。

ヴァイオリン専攻の競争率は2.25倍だが、芸高入試は倍率だけでは語れない異様な厳しさがあると言える。

親子共に試験期間中は「救心」のお世話になったという逸話も存在するほどだ。

平成26(2014)年度入試の全専攻の受験者数と最終合格者数を以下の表にまとめた。

この年は作曲、オーボエ、トランペットの合格者がなかった。そもそも募集を停止してしまった声楽と並んで、これらは高校生にはハードルの高い専攻分野であり、求められる実力に見合う受験生がいなければ、合格者はゼロとなる。

一方、邦楽は受験者が7名、合格者が6名と、例年になく多かった。全体で1クラス分、40数名という合格枠は動かし難く、ほんの僅かの合格者増とはいえ、他の専攻分野の合否に与えた影響は小さくはなかっただろう。

平成26(2014)年度 芸高入試 受験者数と最終合格者数

専攻 受験者数 合格者数 倍率
作曲 2 0
ピアノ 41 12 3.42
ヴァイオリン 27 12 2.25
ヴィオラ 5 3 1.67
チェロ 7 3 2.33
ハープ 2 1 2.00
フルート 4 2 2.00
オーボエ 3 0
クラリネット 5 2 2.50
サクソフォーン 1 1 1.00
トランペット 3 0
打楽器 2 1 2.00
筝曲 5 4 1.25
長唄三味線 2 2 1.00
109 43 2.53
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 弦だとか弓の毛だとか、そんなことを意識しているようじゃだめなんだ。ヴァイオリンは弾くものじゃなく、歌うものだ。

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