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【2015学生音コン】 全国大会中学校の部・結果レヴュー

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第69回(2015年)全日本学生音楽コンクール」バイオリン部門・中学校の部は、横浜みなとみらい小ホールで、11月29日に全国大会の審査を行った。

各地区大会に入賞した13名(東京6名・大阪3名・北九州2名・名古屋2名)が、それぞれ選んだ自由曲(13分以内)を演奏した。

3年連続で東京勢が第1位

13名中、10名が中学3年生。6名がサン=サーンス作品を選んだ。(ワルツ・カプリース2名、協奏曲3番1楽章2名、同3楽章1名、ロン・カプ1名)

入賞者は第3位が2名出て、計4名。

第1位と第3位が東京勢、第2位と第3位が大阪勢で、東京勢の第1位は3年連続となった。

シベリウスの協奏曲を弾いた第1位のコンテスタントは、拍とリズム、オクターブ等の後半の難所を鮮やかに処理、独創的なこの協奏曲の魅力を遺憾なく引き出し、横浜市民賞も受賞した。東京大会本選でも、楽曲への群を抜く探究力を感じ取れる演奏が強く心に残った。

第2位は、パガニーニ1番1楽章を選んだ中学2年の大阪代表。頻出する難技巧にも埋もれず、明度の高い音で歌心溢れる音楽を聴かせた。

2人とも、小学校の部からの通算3度目の全国大会で、念願の入賞を勝ち取った。

第3位は、サン=サーンス(イザイ編)のワルツ・カプリースを選んだやはり中学2年の大阪代表。よくコントロールされた表現でヴィルトゥオーゾピースの躍動感とワルツの優雅さを描き出した。

同じく第3位の東京代表は、バルトーク:無伴奏ソナタ1・2楽章を選択。張り詰めた世界の深奥に迫る厚みのある音作りが印象的だった。

惜しくも入賞を逃した演奏の中にも、技術・音程・音楽的素養の確かさを拠り所に、多彩な音色の発現や引き出しの多い表現の冴えに心を動かされる演奏がいくつかあった。
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受験生は学コンが終われば再スタート

2~3ヶ月後に受験を控える中学3年生にとって、この1年の学コンへのトライアルは、専攻への道にも連なる重要なステージと位置付けられていただろう。

技巧と表現、安定性とダイナミズム、様式感と個性。相反する課題をマネージしつつ達成するためには、音楽の基礎能力に根ざした楽曲への取り組みが常に求められる。

中学時代は、小学校の頃とは異なり、次々と楽曲を練習することの他に、スケールやエチュードによる「筋トレ」を怠りなくこなしつつ、座学を含めた楽曲へのアナリーゼ、ソルフェージュ能力の向上等、「ヴァイオリンを弾くこと」以外の修養も意識的かつ計画的に遂行されなければならない。

まさにその集大成、進路に関わる重要な岐路となる音高受験は誰もが未体験ゾーン、コンクールでの経験が必ずしもそのまま役に立つわけではない。

入選・入賞に関わらず、学コンが終われば、リスタート。

あと2~3回のコンクールや試演会を経て、寒い季節の冷たい選抜の舞台に向け、休むことなく歩みを進めていく必要がある。

やがて訪れる春までのステップは、間違いなくこれまでの人生で最も多くヴァイオリンと音楽に向き合う日々となる。

緩むことなく、ひるむことなく、跳躍への助走を始めよう。

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 ヴュータンは壮大なスタイルで書きました。その音楽はどこをとっても豊かでよく響くものです。自分のヴァイオリンをよく鳴らそうと思うなら必ずヴュータンを弾いてほしいですね。

ウジェーヌ・イザイ(List

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