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【2014学生音コン】 東京大会中学校の部・本選結果レヴュー

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「第68回(2014年)全日本学生音楽コンクール」バイオリン部門・東京大会・中学校の部は、サントリーホール ブルーローズで、10月19日に本選が行われた。

本選課題曲は、ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 第1楽章であった。

入賞者7名全員が「過年度実績組」

昨年は、「学生音コン」バイオリン部門・東京大会としては、史上初の8名の入賞者を出した中学校の部。

今年も、高いレヴェルでコンテスタントの実力が伯仲する状況に変化はなく、本選進出15名のうち、第1位~第3位と奨励賞4名の計7名が入賞した。

7名の入賞者全員が、2011~2013年の「学生音コン」小学校の部あるいは中学校の部の入選・入賞者であった。

  • 第1位 小学2011全国1位&2010全国2位
  • 第2位 中学2013東京2位
  • 第3位 中学2013東京奨励&小学2012東京2位
  • 奨励賞 中学2013&2012東京入選
  • 奨励賞 小学2012東京3位
  • 奨励賞 小学2012東京1位&全国2位
  • 奨励賞 小学2011東京奨励&全国3位

惜しくも入賞を逃したコンテスタントも「学生音コン」の「過年度実績組」がほとんど(15名のうち14名)で、同年代の全国トップクラスがしのぎを削るライバル間の「競奏」は、小学校の部から中学校の部へとステージを変えても継続しているのが現状だ。

各コンテスタントは東京大会さらには全国大会で、より上位の順位を獲得したいという熱い思いを胸に秘め、「学生音コン」に賭けている。

しかしながら、その年に1位となるのは1~2名。極めて狭い入賞枠を目指して、諦めず、粘り強く努力を重ね、出場し続ける。

その気迫と熱きパッションを、今回の15名のドヴォルザークからは確かに聴き取ることができたように思う。

「全国大会」入賞者に名器を貸与する 「サントリー芸術財団名器特別賞」 の新設も、コンテスタントにとっては大きな励みとなっていたことだろう。

本来、音楽の演奏に競争などない。しかし、競争にさらされた尋常ならざる緊張感の中で紡がれた音楽は、真摯な人間の崇高な営みとして、ひときわ美しく光り輝くのもまた事実だ。

そして、そんな音楽をまとまって聴く幸せな時間の後には、結局また、あの選別の痛みがやってくる。

入賞圏内にあると思われたコンテスタントが、無情にもはじかれてしまうという現実を見るのは辛い。

どれにもまず称賛の感嘆符が付くレヴェルにある演奏に、一体どのような得点差が付けられたのか?

やはりその理由が聞きたいと切に思った。

このレヴェルで闘った15名の演奏について、細部の優劣をコメントしたり、ましてや順位をつけることは、もはや筆者には不可能である。

コンテスタントに2つの「お願い」

この先は、「日本音コン」さらには国際コンクールに向けて、精進を重ねていくに違いないコンテスタントに、お願いがある。

まず最初に、「1つのコンクールに賭けないで」ということだ。

「1位を絶対に獲る! そのために練習する」

その気持ちと努力は尊い。

しかし、先は長い。

国内コンでも1位、国際コンでも1位を、順風満帆にストレートにゲットできる例はほとんどないと言っていいだろう。

必ず浮き沈みがあるのだ。

だから、「学生音コン」や「日本音コン」の1回1回の結果に、「賭け過ぎ」てはいけない。

あくまでも自分が成長していくための通過点と捉え、1回1回の結果にはあまり拘り過ぎないことが重要だ。

審査は他人がするもの。自分ではコントロールしようがない。

落選が重なって、トライする気持ちを失ってしまう。これが一番怖い。

2つ目は、「片言でいいからとにかく英語を早く使えるようにして欲しい」ということだ。

このレヴェルにある人はいずれ、海外のマスタークラスや国際コンクール、あるいは留学を検討することになるはずだ。

その場合、フランス語、ドイツ語という前に、まず共通語の英語で必要なコニュニケーションを取れるようになることが大前提となる。英語の習得にはヴァイオリンの練習と同じくらいの努力を傾けて欲しいと思う。

中学3年間の英語をきちんとマスターすれば、外国人教授のレッスンは通訳なしで受講できるはずだ。

いずれ必要になるのなら、早いほうがよい。国内で行われる外国人教授の講習会から、レッスンは英語で受ける。それを実践してみて欲しい。

韓国勢が国際コンで輝かしい実績を上げる中、世界最高水準の国内コンを勝ち抜いてきた日本人コンテスタントの国際コン実績は、残念ながら近年はかつての栄光ほどの輝きを放ってはいない。

国際コン向けには国内コンとはまた異なったキャリアの作り方が存在しているのも事実だが、グローバル化が叫ばれる時代にあっても、日本人が内向きのままで、特に言語や習慣の壁の前で小さく縮こまってしまいがちな現実と、それはまったく無関係ではなさそうにも思われるのだ。

音楽に国境はない。音楽はもともとグローバルなもの。

そんな分かり切ったことにもう一度思いを馳せてみたい。

そして、片言の英語でもいい。

まずはコミュニケートする努力から始めてみよう。

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 ヴュータンは壮大なスタイルで書きました。その音楽はどこをとっても豊かでよく響くものです。自分のヴァイオリンをよく鳴らそうと思うなら必ずヴュータンを弾いてほしいですね。

ウジェーヌ・イザイ(List

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