Violinear / ヴァイオリニアについて

「Violinear / ヴァイオリニア」はZ世代のヴァイオリン情報サイトです。最新のコンクール・イベントに関する情報や掲示板を中心に、若いヴァイオリニスト達のレッスン・受験・留学に役立つ情報を日々配信しています。

ペテルブルク音楽院のレオポルト・アウアーの奏法に始まったロシア派や近代ヴァイオリン奏法の父・ヴィオッティの流れを汲んだフランコ=ベルギー派など、一昔前は流派や先生による奏法の違いが顕著でした。しかし、情報化社会の到来により、演奏家は世界中のあらゆるリソースにアクセスすることが可能となりました。現代では伝統的な2つの流派に固執するタイプは珍しく、両者の中間のどこかに位置する奏法というのが主流になっており、ヴァイオリニストの世界にもグローバリゼーションの潮流が押し寄せているのを感じます。

この現象はヴァイオリン製作現場においても例外ではなく、生産地ごとの特徴や国籍による音色の違いなどは最早皆無といっても過言ではありません。イタリアで修業をした各国の優秀な製作家が世界中で活躍し、イタリア製を凌ぐ安価なヴァイオリンが日々誕生しているのです。

「ヴァイオリンの音を国籍で求める行為ほどばかばかしいことはない。 イタリア・トーンなどという音は存在しない。同じようにジャーマン・トーンもフレンチ・トーンもない。同じ音は一本としてないのだから、個々のヴァイオリンを試奏して判別するのが正しい選定である」『ヴァイオリンの見方・選び方』(神田侑晃著)

ヴァイオリン先進国・イタリアとヴァイオリン途上国・中国を明確に区分する製作技術の差はほとんどなくなり、あるのは工房(製作家)の実力差だけです。

情報の非対称性は若いヴァイオリニストにチャンスロス(機会損失)を発生させ、夢への挑戦を阻害する一因になっています。「情報の海」の中から、自分にとって有益な情報を選び取ることができる能力を身に付けることは、Z世代のヴァイオリニストにとっても必須課題といえるでしょう。

「Violinear / ヴァイオリニア」はZ世代のヴァイオリニストのメディア・リテラシー向上を目指しています。