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辻彩奈さん1位、吉田南さん3位 モントリオール国際コンクール

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辻彩奈さんがファイナルの演奏曲に選んだのは、シベリウスの協奏曲。

昨年(2015年)3月の「ソウル国際」(第2位)、10月の「ハノーファー国際」(第5位)のファイナルでも演奏し、得意のレパートリーとしてきた曲だ。

3度目の正直。カナダ・モントリオールで、そのシベリウスはさらなる進化を遂げていた。

カレリアの地の凍てついた湖から湧き出たような音楽は、辻さんの駆動力のある緻密な音で、時に律動し、跳梁し、時に余韻を残し静寂に帰していった。

辻さんは、恐ろしくも美しい、この楽曲の多様なドラマ性を見事に表現し、念願のメジャー国際コン初制覇を果たした。

一方、出場者中で最年少の吉田南さんが、ファイナルの演奏曲に選んだのもシベリウスの協奏曲。

昨年12月、「シベリウス国際」のファイナルでも演奏し、この時は惜しくも入賞を逃した。

半年後、そのシベリウスはやはり大きな進化を遂げていた。

吉田さんは楽器のポテンシャルを十全に解き放ち、鳴らし切る。誰も真似できない圧倒的な迫力とスケールの大きさで聴衆を魅了し、第3位を獲得した。

まだジュニア世代の日本の17歳と18歳。

ファイナリスト6名のうち、他の4名は23歳~28歳。シニア世代が大挙して挑むメジャー国際コンで、日本の10代後半のふたりが示した恐るべき技量と音楽性に、カナダ・モントリオールの地は大いに沸いた。

“アヤナ” と “ミナミ” モントリオールを席巻

montreal final ayana_tsujiphoto by CBC Classical

5月22日~6月2日、カナダ・モントリオールで開催された「モントリオール国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門で、日本の辻彩奈さん(18歳 / 東京音大1年)が第1位、吉田南さん(17歳 / 桐朋女子高3年)が第3位に入賞した。

世界34カ国から206名が応募、前回を70%も上回る記録的な応募者数となった同コンクールの事前審査に通過し、本審査に出場した精鋭は23名。

第1ラウンドにあたるクォーターファイナルからリサイタル形式(35分以内)が採用された。規定課題のバッハ:無伴奏とパガニーニ:カプリースを除き、ヴィルトゥオーゾ・ピース等で各コンテスタントが得意とする楽曲を組み合わせてプログラムを構成する。

リサイタルを完成させる演奏家としてのメンタルとフィジカルが厳しく問われる中、それぞれの個性と個性がぶつかり合った。

出場23名中、12名が進んだセミファイナルも、45分以内のリサイタル形式。すでに過去の国際コンで入賞実績のあるコンテスタントらが振り落とされる中、任意の協奏曲1曲をジャンカルロ・ゲレロ指揮:モントリオール交響楽団と共演するファイナルに進出したのは6名だった。

優勝した辻彩奈さんは、クォーターファイナルのバッハ:無伴奏とパガニーニ:カプリース、セミファイナルのソナタとカナダ人作品の4つの楽曲の演奏で最優秀演奏賞を受賞、さらにセミファイナルのベストリサイタル賞も獲得した。全ラウンドで審査員から最高の評価を受ける、まさに完全優勝だった。

第2位は、ショスタコーヴィッチの協奏曲 第1番を演奏した韓国のキム・ボムソリ(Bomsori Kim)さんが受賞した。

世界3大メジャー国際コンへ照準

優勝した辻彩奈さんは、「第63回(2009年)全日本学生音楽コンクール」小学校の部・全国大会第1位、「2012メニューイン国際コンクール」ジュニア部門 ファイナリスト、「第82回(2013)日本音楽コンクール」第2位と、早くから国内外の主要コンクールで実績を重ね、16歳で初めて挑んだシニア国際コンクールとなった「第9回(2014年)インディアナポリス国際ヴァイオリンコンクール」でセミファイナリスト・審査員特別賞を受賞、「2015ソウル国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門で第2位(最高位)、「第9回ハノーファー国際ヴァイオリンコンクール」で第5位・聴衆賞、特別賞を受賞した。

一方、第3位となった吉田南さんは今回、同時期に行われた「仙台国際」の事前審査にも通過していたが、「モントリオール国際」への出場を選択した。

吉田さんは、「第64回(2010)全日本学生音楽コンクール」小学校の部・全国大会第1位、「第66回(2012)全日本学生音楽コンクール」中学校の部・全国大会第1位、「第83回(2014)日本音楽コンクール」第1位と、メジャー国内コン3冠を達成。15歳で挑んだ「2014メニューイン国際コンクール」シニア部門で最年少セミファイナリスト。「第11回(2015)シベリウス国際ヴァイオリンコンクール」でも出場最年少でファイナリストとなった。

ジュニア世代ながら、早くからシニアの国際コンに挑み、実績を重ねてきたふたりが見据えているのは、おそらく「2018インディアナポリス国際」と「2019エリザベート王妃国際」だろう。

トップランクのふたりに刺激された日本の10代には、今、逸材が多い。グローバル化の波にも後押しされ、早くからヨーロッパのジュニア国際コンにトライし、成果を上げる例も増えている。

近年、国際コンで圧倒的な存在感をみせる韓国に追いつき、日本が再び弦王国の座を奪還することができるかどうか。

その芽は確実に育ちつつある。

Prize Winners

1st prize Ayana Tsuji(18) Japan

2nd prize Bomsori Kim(26) South Korea

3rd prize Minami Yoshida(17) Japan

Radio-Canada People’s Choice Award: Bomsori Kim

André-Bachand Award for the best performance of the compulsory Canadian work in the semifinal round : Ayana Tsuji

Award for the best semifinal recital: Ayana Tsuji

Award for the best performance of a sonata in the semifinal round: Ayana Tsuji

Award for the best performance of a work by J.S. Bach in the quarter-final round : Ayana Tsuji

Award for the best performance of a Caprice by Nicolo Paganini in the quarter-final round : Ayana Tsuji

公式サイト

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 ヴュータンは壮大なスタイルで書きました。その音楽はどこをとっても豊かでよく響くものです。自分のヴァイオリンをよく鳴らそうと思うなら必ずヴュータンを弾いてほしいですね。

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