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【カール・ニールセン国際】セミファイナル審査の不一致認める

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「私は審査結果には同意できません」

審査委員長自らが、無念の表情を浮かべ、そう語った。

6人が進出した「カール・ニールセン国際ヴァイオリンコンクール」のセミファイナル。

コンクール審査の難しさが、あらためて浮き彫りになった。

「同意できないが、多数の意見は尊重する」

現地時間4月19日深夜、ファイナリストの発表は予定より30分遅れて始まった。

審査委員長のニコライ・ズナイダー氏がファイナル進出が決まった3名の氏名を読み上げた時、ステージ上に並んだ審査員らは一様に落ち着かない表情を浮かべた。

ズナイダー氏は言葉少なだった。

「深夜のこんな時間になってしまったことからも明らかなように、決定は簡単なものではありませんでした。これが多数意見です。」

発表後、デンマーク放送協会(DR)のインタヴューに応じたズナイダー氏は、セミファイナルの審査の様子を明らかにした。

審査員らは「最も価値があるもの」、「説得力が得られるもの」について意見が一致せず、最終決定に至るまで大激論が展開されたという。

ズナイダー氏は、最終決定に個人的には同意していないと率直に語った。

「確かに今回選出された3人のファイナリストには好意的な意見が多数を占めましたが、私個人はこの決定には同意していません。」

「私は別のコンテスタントがファイナルに行くのを見たかったのです。」

ズナイダー氏は無念の表情を浮かべた。

「しかし、私は最終決定を尊重します。私は審査委員長であり、全責任を負う立場にあります。このような場合は、意見の相違を認め合わなければなりません。」

そして今回の不一致は、同コンクールの今後の総裁(組織委員長)としての自らの役割に、何ら影響を与えるものではないともつけ加えた。

審査員個々には別の意見がある

どのような採点システムを採ろうと、コンクールの審査結果は複数の審査員の平均、あるいは最大多数の意見が専ら反映されたものとなる。

つまり、コンクールの審査結果とは、「審査員がどの点で意見が一致できたか」ということを表すに過ぎないものだ。

それは各コンテスタントに対する決定的評価では一切あり得ない。

審査員個々には、審査結果とは全く異なった意見が存在し、場合によっては審査委員長個人が、最終決定と異なる意見を持つことは、どのコンクールでもあり得ることだろう。

それをコンクール期間中に率直に明らかにし、伝える。

審査の難しさをベールに包むのではなく、透明性の中に置く。

今回の同コンクールの公式メディアの役割は、デンマーク放送協会(DR)が担っている。

ウェブサイトの見せ方、テレビ中継された映像と音声のクリアーさ、構成の確かさ、インタヴューのテーマの取り上げ方は、やはりメディアらしい仕事を感じさせるものがある。他の国際コンの事務局の片手間仕事とは異次元のクォリティだ。

それに加え、包み隠さず事実を伝えようとするメディアの流儀と姿勢が、今回の一件からは垣間見えてくる。

“Znaider is candid: Jury disagreed on choice of finalists”(「ズナイダー氏、ファイナリスト選出に審査員間で不一致があったことを率直に認める(コンクール公式サイトより)

審査員9名の顔ぶれは以下の通り
  • Nikolaj Znaider, Denmark, President of the Jury (Violinist and conductor)
  • Noah Bendix-Balgley, USA (1st Concertmaster, Berlin Philharmonic)
  • Mats Engström, Sweden (Royal Stockholm Philharmonic Orchestra)
  • Kathryn Enticott, UK (Artist Manager)
  • Charles Hamlen, USA (Artistic Advisor, Orchestra of St. Luke’s | DiMenna Center)
  • Werner Hink, Austria (Violinist, Vienna Philharmonic)
  • Kathryn Stott, England (Pianist)
  • Eugen Tichindeleanu, Denmark (Concert Master, Odense Symphony Orchestra)
  • Jian Wang, China (Cellist)
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 ヴュータンは壮大なスタイルで書きました。その音楽はどこをとっても豊かでよく響くものです。自分のヴァイオリンをよく鳴らそうと思うなら必ずヴュータンを弾いてほしいですね。

ウジェーヌ・イザイ(List

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