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毛利文香さんが第6位 エリザベート王妃国際ヴァイオリン部門

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最難関で日本人が連続入賞

ベルギー・ブリュッセルで開催された、世界三大コンクールのひとつ「2015 エリザベート王妃国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門で、日本の毛利文香さん(慶大文学部3年)が第6位に入賞した。

5月25日~30日、ブリュッセル芸術ホールで行われた同コンクールファイナルラウンドには、第1ラウンドとセミファイナルを勝ち抜いた12名が出場し、それぞれ任意の協奏曲1曲と世界初演となるコンクール委嘱作(※)をマリン・オールソップ指揮 : ベルギー国立管弦楽団と共演した。(※)スイスの現代作曲家 ミカエル・ジャレル(Michael Jarrell)作曲の “…aussi peu que les nuages…(雲と同じほど小さく)”

26日に登場した毛利文香さんは、今年3月に第2位を獲得した「パガニーニ国際ヴァイオリンコンクール」(イタリア・ジェノヴァ)のファイナルでも演奏した得意のシベリウスの協奏曲と難曲のコンクール委嘱作を高度な技術と深い音楽性で弾き切り、第6位に入賞した。

毛利文香さん インタヴュー&ファイナルの映像

同コンクールのヴァイオリン部門では前回(2012年)成田達輝さんが第2位に入賞しており、最難関の国際コンクールで日本人が2大会連続入賞を果たした。

優勝は、韓国の Ji Young Lim さん。(2011アンリ・マルトー国際 第3位、2014インディアナポリス国際 第3位)

2つの聴衆賞は第5位の Stephen Waarts さんが受賞した。

同コンクールの優勝賞金は2万5千ユーロ(約330万円)、第2位 2万ユーロ、第3位 1万7千ユーロ、第4位 1万2千5百ユーロ、第5位 1万ユーロ、第6位 8千ユーロ。

優勝者にはレコーディングやコンサート契約の権利が付与される他、1708年製のストラディヴァリ “Huggins(ハギンス)” が日本音楽財団より次回コンクール開催(2019年)まで4年間貸与される。

コンクール公式サイト

Prize Winners  ※曲はファイナルで選択した協奏曲

1st prize  Ji Young Lim (20歳 韓国) ブラームス:協奏曲

2nd prize  Oleksii Semenenko (26歳 ウクライナ) シベリウス:協奏曲

3rd prize  William Hagen (22歳 アメリカ) チャイコフスキー:協奏曲

4th prize  Tobias Feldmann (24歳 ドイツ) バルトーク:協奏曲2番

5th prize  Stephen Waarts (18歳 オランダ / アメリカ) バルトーク:協奏曲2番 ※聴衆賞受賞(the VRT-Prize and the Musiq’3 Prize of the RTBF)

6th prize  Fumika Mohri (21歳 日本) シベリウス:協奏曲

※)北部フランデレン地域(フラマン語)のメディア “VRT” と南部ワロン地域(フランス語)のメディア “RTBF” がそれぞれ聴衆賞を設けている。

「さらに上へ」 強い意志が生んだ快挙

5年前の「日本音楽コンクール」本選では第3位だった。

その2年後の「2012ソウル国際音楽コンクール」。

国際コンクール初挑戦で優勝。18歳、コンクール史上最年少での快挙だった。

しかし、彼女はその結果を謙虚に受け止める。韓国勢の強さを認め、力強く表現豊かな彼らの演奏に学びたいと、率直に心境を語った。

そして、ソウル国際コン優勝の副賞だった韓国内でのリサイタルツアーは、国際的なステージ経験を積む場となった。

常に上を目指す気持ちと豊富な演奏経験は、3年後の今年3月、「パガニーニ国際」のファイナルで花開く。

圧巻のパガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番。

本場イタリアの聴衆からブラボーが飛び、暫く拍手が鳴り止まなかった。

出場者を弟子に持つ有力指導者を審査員から排除し、新たな審査のあり方を目指したこのコンクールでの入賞は、実力の真価を証明するに十分なものだった。

しかし、彼女はここでも決して止まらない。

「さらに上を目指したい」と、帰国後の県知事への入賞報告でそう決意を述べた。

稀有の資質、圧倒的な量の努力、豊富な演奏経験。

エリザベートのステージに立つコンテスタントは皆、ほぼ同じレベルにある。

その中で、差をつけてラウンドを勝ち抜いていくために必要なエレメントは、一体何なのか。

「さらに上へ」

諦めず、緩まず、常により高い目標を掲げ、それに向かい続ける。

たゆまぬ向上心が、最難関突破の推進力をもたらした。

音大に行ったり、留学したり、そんな定型のコースを歩まなくとも、一般大学に通い、日本で個人レッスンを積み重ねていくことでも十分に世界が視野に入る。

芸術の達成に、決まったコースはない。

「個」の努力と強さ、そして覚悟の問題なのだということを、毛利さんの入賞ははっきりと示している。

photo by Cobra

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 ヴュータンは壮大なスタイルで書きました。その音楽はどこをとっても豊かでよく響くものです。自分のヴァイオリンをよく鳴らそうと思うなら必ずヴュータンを弾いてほしいですね。

ウジェーヌ・イザイ(List

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