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【パガニーニ国際】伊ジェノヴァで2月28日より予選スタート

126_Teatro_Carlo_felicephoto by RaffaellaRaffax

「生徒びいき」の阻止とキャリアの後押し

有力な指導者のいない審査体制は、国際コンクールの新たな潮流となり得るのだろうか?

2月28日からイタリア・ジェノヴァで、5年ぶりに開かれる「第54回パガニーニ国際ヴァイオリンコンクール」。

その審査席には、国際コンクールでよく見かけるヴァイオリン指導者らの姿はない。

同コンクールは、審査委員長ファビオ・ルイージ氏の方針の下、各国の音大や音楽院で教授を務め、優秀な生徒を多く抱える有力な指導者を審査員には一人も選ばなかった。

代わりに選ばれたのは、歌劇場やオーケストラのディレクター、ジャーナリスト、マネジメント会社幹部、国際コン入賞実績が豊富なヴァイオリニストとオーケストラのコンサートマスター。

この思い切った改革には、ヴァイオリンの専門家が少ない中で公正な審査がなされるのか等、別の懸念もつきまとうが、審査員の生徒びいきが起こりかねないこれまでのあり方をより中立的なものに改めたいという強い意欲が感じられる審査体制となったのは明らかだ。

そしてコンクール審査の適正化と共に、ルイージ氏が目指したのは、コンクール入賞者が演奏家としてのキャリアを積んでいける支援体制作りである。

同コンクールの優勝者には2万ユーロの賞金以外に、様々なコンサート契約が付与されることになっている。従来のカルロ・フェリーチェ劇場やイタリア各地(ミラノ、パルマ、ベルガモ)での演奏会に加えて、さらにどのような契約オファーが用意されているのか?

マネージメントと広報のバックアップ体制の充実も含め、審査団メンバーの人脈からは多くの果実が得られることになりそうだ。

国際コンクールに “変化の胎動”

こうして創設61年の伝統ある国際コンクールは旧弊と決別し、新たな方向へと第一歩を踏み出す。

その意義は決して小さくはないだろう。

今年6月開催の「サラサーテ国際」も今回の「パガニーニ国際」と同様のコンセプトで、コンテスタントの入賞後のキャリアアップのサポートを重視し、審査委員長に大手マネージメント会社の幹部を据えた。

また「チャイコフスキー国際」も審査員に欧米楽壇をリードする音楽家、ホールや音楽祭のディレクターを多く人選し、審査は採点制として審査員間の協議を廃する改革を行っている。

こうした一連の流れが、さらに他の国際コンクールにも影響を与えることになるのか。今後も注目していく必要があるだろう。

125_Teatro_Carlo_Felice_Notturnophoto by Maurizio Beatrici

「ホームタウン・ディシジョン」もなし

同コンクールは、昨年10月~11月に世界4都市(ジェノヴァ10/8・9、ニューヨーク10/12・13、ウィーン10/16・17、東京11/18)で「予備選抜ステージ」を実施した。

参加した101名のうち、31名が本審査ラウンドへの進出を決めたが、31名のうち、日本は最多の8名、中国7名、アメリカ4名、韓国3名、ロシア3名・・・と続き、開催国のイタリアはゼロだった。

開催国のコンテスタントが本審査出場者に一定数選ばれるのは、これまでの国際コンクールでよく見られることだが、今回の「パガニーニ国際」は事情が異なった。

イタリアからは日本21名、中国14名、アメリカ11名に次いで、10名が「予備選抜ステージ」にトライしたが、誰ひとり本審査出場を勝ち取ることができなかったのだ。

「ホームタウン・ディシジョン」はなかった。ここでも「パガニーニ国際」は躊躇なく変化を求めた。

本審査進出を決めた31名のうち30名がジェノヴァで行われる2月28日・3月1日の予選にエントリーした。このうち最大で16名が3月3日・4日のセミファイナルに進出することになる。

パガニーニ:カプリースを5曲演奏

予選の課題曲はバッハ:無伴奏ソナタとパルティータ1~3番から任意の2楽章とパガニーニのカプリース3曲。

セミファイナルはブラームス:ソナタ1~3番から任意の1曲、指定されたヴィルトゥオーゾ・ピースから任意の1曲、パガニーニ:カプリース2曲(予選と異なるもの)、コンクール委嘱作(無伴奏曲)となっており、「パガニーニ国際」らしく、パガニーニのカプリースが計5曲も課題となっている。

最大6名が進出するファイナルは3月7日・8日に行われ、協奏曲2曲をカルロ・フェリーチェ劇場オーケストラと共演する。

ファイナルの協奏曲は、1曲がパガニーニの1番か2番、もう1曲はベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキー、シベリウスから選択することになっているが、出場者30名のうち、27名がパガニーニ1番を選択。もう1曲はシベリウス13名、ブラームス10名、チャイコフスキー6名、ベートーヴェン1名という選択状況となっている。

コンクール公式サイト

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